2013.11.25
町工場のものづくり魂が世界に挑む物語、スピリッツで新連載開始!!
世界のトップメーカーが競う「氷上のF1」
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東京・下町の町工場が力を合わせて、五輪を目指す夢のプロジェクトが動いている。題して「下町ボブスレー」。2人から4人乗りのそりで約1300メートルのコースを滑走し、タイムを競う競技だ。そのスピードは時速140キロ近くにも達し、「氷上のF1」と評される。
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「下町ボブスレ-」の記者会見の様子。中央が中心メンバーの一人、細貝淳一マテリアル社長。
nボブスレーは1924年のシャモニー・モンブラン大会から冬季五輪の種目となり、日本も参加しているが、いまだにメダルに手が届いたことはない。
nその理由のひとつが、ボブスレーのそりが自前で調達できないことだといわれる。日本チームが乗ってきたそりは、他国の中古品か、現地でのレンタル用品なのだ。
nボブスレーは選手が乗り込むボディーとそれを支えるシャーシ、氷の上を滑るブレードの三つからなる。素材や力学など科学的開発が不可欠で、実際に海外ではBMWやフェラーリといった一流自動車メーカーがそりの開発に携わっている。
n「下町ボブスレー」プロジェクト(http://bobsleigh.jp/)はそこに参戦した。大田区の町工場は金属加工の会社が多く集まっており、多品種小数、試作品という小回りが効く。ボブスレーのそりは構造がシンプルで金属部品が多く、まさに大田区の町工場の技術が活かしやすいことがわかった。
nプロジェクトは金属加工会社マテリアルの細貝淳一社長らが中心となって2011年に立ち上がり、1号機は町工場約30社が金属部品約200点を手分けして無償で製作した。
nデビュー戦は2012年12月23日に行われた全日本選手権大会だった。結果は女子2人乗りでコースレコードに0.09秒遅れの優勝を飾った。
n現在はさらに2号機も完成。2014年のソチ五輪、2018年の平昌五輪を目指しての挑戦が続いている。
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ものづくり現場の取材にテンションが上がる!
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「下町ボブスレー」を題材にした漫画が、52号(11月25日発売)から「週刊スピリッツ」で始まった『黒鉄ボブスレー』である。
n週刊誌連載デビューとなる作者の土屋雄民先生は、大田区の町工場に通い詰め、ときには働かせてもらいながら作品に下町の人々のリアル、心を込めた。
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取材写真の一部を公開すると――
n 取材写真の一部を公開すると――
そりのサスペンションなどを担当する大野精機で製造技術責任者の大野和明さん(左)に話を伺う(右端が作者の土屋先生)。工場内に金属の匂いが漂う。 
大野精機で金属加工品を拝見。職人の手仕事が光る。一個からでも受注して作るそうだ。
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大野精機で金属加工品と道具の数々を見学させてもらう。かつて大田区には町工場が1万社以上あったそうだが、今は4000社にまで減少しているとか。守らなくてはいけない日本のものづくりの原点である。 
山積みになった金属の加工くずも町工場ならではの風景。
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そりの溶接などを担当しているフルハートジャパンを訪問。「女性も働いていて、漫画のキャラ作りの参考になりました」(土屋先生)。ちなみに大田区は、従業員9人以下の企業が約82%を占める。
「溶接は工程の最後にあるので、納期が大変でした。でも『下町ボブスレ-』に参加したことで社員のモチベーションが色んな意味でとてもアップしている」(フルハートジャパン・國廣愛彦・代表取締役=写真左)
そりのブレーキなどを担当するカシワミルボーラ。工作機が並び、「なんとなく漠然と頭の中にあった『町工場』のイメージに近い雰囲気だった」(土屋先生)。
と、いいつつも、町工場にもオートメーション化は進んでいる。「ボタンが並ぶパネルにちょっとテンションが上がりました」(土屋先生)。 
金属を削る自分たちの「ワザ」を見せるために、カシワミルボーラでは女性の裸体像が置かれていた。「すごいんだけどコメントに困りました(汗)」(土屋先生)。
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実際に働きながらリアリティーを追求
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作者の土屋雄民先生は、ニュースで「下町ボブスレー」に興味を持ったものの、
n「恥ずかしながら、大田区が町工場で有名だということをこれまで知りませんでした。マンションと家に挟まれた工場がガンガン稼働しているのを見て、ノスタルジックな雰囲気が逆に新鮮な気持ちになりました」
nと言う。
n最初の取材は話を聞くだけだったのが、次第にそれでは足りないものを感じた。
n「いろんな工場を周りながら働いている人に話を聞いていたんですが、やはりどうしても現場の感覚がわからない。町工場のキャラクターは絶対にどこかで現場に立っている。その空気を知らずに描いてはリアリティーがにじみ出ないし、読んでいる人にすぐ正体がバレる」(土屋先生)
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そこで作品に血肉を通わせるためにとった手段は――
n「実際に働かせていただくことにしました。ずっとバリ取り作業(金属加工した後に残るカスを取り除く作業)をしながら、従業員の方々から生の声と工作機械の主な使い方や一連の仕事内容などを聞いて、そこで初めて全体図をイメージすることが出来ました」(土屋先生)
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「それからネーム作業になったんですが......これが大変難しく、脳みそねじ曲げまくりです。このテーマに取り組もうと思ったのが今年の1、2月。ここまで取材したのも、ここまでネームに苦労しているのも初体験。そして、もちろん週刊連載も初体験です」(土屋先生)
n「初」続きの作者。テーマと悪戦苦闘し、新しい物語(フィクション)として再構築して、連載がスタートした『黒鉄ボブスレー』とはどんな漫画なのか?
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「男の涙は美しい」――汗まみれ極太エンタメ
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『黒鉄ボブスレー』の主人公は、町工場「黒井精機」の二代目・黒井鉄郎、28歳。仕事の合間に草野球の助っ人に行ってしまったり、どこかちょっといい加減なところがある。幼なじみで冷静に現実を見ている黒井精機営業部の白河、元ヤンで鉄郎を平気でドツく女性従業員のアカネらが鉄郎の仕事仲間だ。
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スピリッツ52号で熱血新連載開始の『黒鉄ボブスレー』。
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ところがある日、黒井精機の上得意である大手自動車メーカー「鳴神自動車」から契約を突然、打ち切られてしまう。たちまち行き詰まる経営。鉄郎の父親で社長の黒井銀蔵に秘策はあるのか。主人公・鉄郎の心情は「金がねえなら技がある。番狂わせは技でやるんだよ」。町工場の物語が動き出す――。
n土屋氏は、
n「ただの社会派漫画ではない、男の涙は美しいと思えるような、自分でも想像もつかない汗まみれ極太エンターテインメントにしたい」
nと語る。
nものづくり日本の原点と新鋭漫画家の出会いが新しい時代のストーリーを紡ぎ出す。
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さらに「週刊スピリッツ」は「攻めスピ2014」として、『黒鉄ボブスレー』をトップバッターに、新年1号(12月2日発売)では建物の記憶をを巡る大学生の不思議な冒険を描くシリーズ連載『マホロミ』(冬目景)、『クロサギ』作者による読切『受付はこちらです』(黒丸)を掲載。2・3合併号(12月9日発売)では高校サッカー新連載『夕空のクライフイズム』(手原和憲)、読切『ちょうちょうなんなん』(月子)を掲載し、4・5合併号(12月21日発売)では剣の達人と愛猫の生活を描く新連載『東伍郎とまろすけ』(長月キュー)がスタートするなど、新年号から続々と新連載、ゲスト企画をスタートさせていく。誌面も大増ページで、寒い冬を熱くさせる!
(文/フリーライター・神田憲行)

